模試の復習と解き直しのやり方は?失点を3つに分ける勉強法と復習ノート・過去問の使い方

模試の復習と解き直しの手順。落とした問題を知らなかった・時間が足りなかった・読み違えたの3つに分け、それぞれの直し方を示した仕分け図と解き直す順番

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答え模試の復習は、返ってきた成績表で解き直す問題を絞ることから始めます。最優先は、受験者の多くが正解しているのに自分が落とした問題です。落とした理由を「知らなかった」「時間が足りなかった」「読み違えた」の3つに分け、理由ごとに直し方を変えます。全部の問題をやり直す必要はありません。

「模試の直しって、全部やらないといけないんですか」。成績表が返ってきた週に、いちばん多く聞かれる質問です。5教科分の問題冊子を前にすると、どこから手をつければいいのかがわからなくなり、結局どれにも手をつけないまま次の模試の案内が届く。そういう流れは珍しくありません。

解き直しが続かない理由は、やる気の問題ではないことがほとんどです。やり直す問題の数が多すぎて、終わりが見えないことが原因です。だから最初にやるべきなのは、解き直す問題を減らすことです。減らす基準は、成績表に載っている受験者の正答率と、自分の正誤の組み合わせです。

この記事では、解き直す問題の絞り方、失点の理由の分け方、復習ノートの作り方、定期テストでは取れるのに模試で点が取れない原因、そして模試の過去問の手に入れ方までを扱います。返ってきた答案と成績表を生徒と一緒に広げる場面に、高校受験の教室長として18年立ち会ってきました。ここで書く手順は、その中で続いた形だけを残したものです。

この記事のサマリー

  • 解き直す問題は正答率で絞る:受験者の多くが正解しているのに自分が落とした問題を最優先にし、正答率が低く自分も落とした問題は最後に回します
  • 失点の理由は3つに分ける:知らなかった、時間が足りなかった、読み違えた。理由によって直し方が変わります
  • 解説を読んだあとに、何も見ずに解く:解説を読んで納得した段階では、まだ解き直したことになりません
  • 復習ノートは書く量を減らす:問題はコピーして貼り、自分で書くのは落とした理由の1行だけにします
  • 模試で点が取れない原因は3つの違い:定期テストと比べて、範囲の広さ、初めて見る形、時間の配分が違います
  • 中学生の過去問は県の公開問題から:神奈川県は公立高校入試の学力検査問題を3年分公開しています

模試の復習は、解き直す問題を正答率で絞ってから始める

模試の復習は、解き直す問題を決めるところから始まります。基準にするのは、成績表に載っている受験者の正答率と、自分がその問題を取れたかどうかの組み合わせです。この2つを掛け合わせると、落とした問題は4つの区分に分かれ、手をつける順番が決まります。

受けた日のうちにやることと、成績表が返ってからやること

復習は2回に分かれます。1回目は受けた日のうちで、問題用紙に控えておいた自分の答えを使って自己採点をします。このときにやるのは、丸をつけることと、迷って選んだ問題に印をつけることの2つだけです。当日は疲れているので、ここで全部を直そうとしないでください。当日の流れと自己採点の手順は、模試の持ち物と当日の受け方を扱った記事で書きました。

2回目は、成績表が返ってきてからです。答案は主催者が回収して採点するので、返却までには数週間かかります。本格的な解き直しは、この2回目にやります。自己採点だけではわからない情報、つまり設問ごとの受験者の正答率が、成績表で初めて手に入るからです。成績表に正答率が設問ごとに載っている模試もあれば、単元ごとにまとめて載っている模試もあります。どちらの形でも、考え方は同じです。

受験者の正答率が高いのに落とした問題から手をつける

自分が落とした問題を、受験者の正答率で並べ替えます。最初に解き直すのは、受験者の多くが正解しているのに自分が落とした問題です。多くの人が取れている問題は、学習が終わっている範囲の基本的な問題であることがほとんどで、直せば次の模試で確実に点に変わります。

自分の正誤と受験者の正答率で決める、解き直しの順番
区分受験者の正答率自分扱い
1番目に直す高い不正解基本の取りこぼし。次の模試の点に変わりやすい
2番目に直す中くらい不正解差がつく問題。解説を読み、何も見ずに解き直す
確認だけ高い・中くらい正解(迷って選んだ)自己採点で印をつけた問題。根拠を言えるか確かめる
最後に回す低い不正解多くの受験者が落とした問題。時間が残ったときに扱う

正答率が低く、自分も落とした問題は最後に回します。受験者の大半が解けていない問題は、今の段階で直しても次の模試の点に結びつきにくいからです。こうした問題に最初に時間を使うと、取れるはずの問題を直す時間がなくなります。逆に、正解はしたものの迷って選んだ問題は、根拠を自分の言葉で説明できるかだけを確かめてください。説明できなければ、次は落とす問題です。

藤原 誠一

元教室長の視点

藤原 誠一|日本進学教育研究機構認定 高校受験指導アドバイザー

成績表を並べて見比べると、点数が伸びていく生徒と止まる生徒の差は、解き直した問題の数ではありませんでした。伸びた生徒は、正答率が7割を超えているのに自分が落とした問題を、次の模試までに1問残らず片づけていました。止まった生徒ほど、難しい大問の解説を読むことに時間を使っていて、取れるはずの問題が次の回でもそのまま残っていました。直す問題を減らしたほうが、結果として点は動きます。


模試の解き直しのやり方──失点を3つに分けて、分け方ごとに直す

模試の解き直しは、落とした理由を3つに分けてから始めます。「知らなかった」「時間が足りなかった」「読み違えた」の3つで、理由が違えば直し方も違います。どの問題も同じように解説を読んで終わりにすると、時間が足りなかった問題と読み違えた問題は、次の模試でも同じ形で落とします。

知らなかった・時間が足りなかった・読み違えた

3つの分け方と、それぞれの直し方は次のとおりです。

理由 1

知らなかった(知識・解き方が抜けていた)

用語や公式を覚えていなかった、解き方を知らなかった、という失点です。教科書や使っている問題集の該当ページに戻り、同じ単元の基本問題を2〜3問解いてから、模試の問題をもう一度解きます。模試の問題だけを直しても、同じ単元の別の形で出されると解けません。

理由 2

時間が足りなかった(解けたはずなのに届かなかった)

時間をかければ解けた、手をつける前に終了した、という失点です。問題を時間を計って解き直し、自分が何分かかるかを確かめます。知識の問題ではないので、解説を読んでも直りません。どの大問に何分使ったかを、問題用紙の余白に書き残しておくと原因が見えます。

理由 3

読み違えた(問われていることと違う答えを書いた)

「誤っているものを選べ」を正しいものと読んだ、単位を書き落とした、記号で答えるところを語句で書いた、という失点です。設問文のどこを読み落としたかに線を引き、その読み落とし方を1行で書き出します。読み違いは同じ人が同じ形で繰り返すので、書き出しておくと次の模試の前に見直せます。

分けるときに迷ったら、「もう一度時間を計らずに解いたら解けるか」を考えてください。解けるなら時間か読み違い、解けないなら知識の不足です。ケアレスミスという言い方で片づけてしまうと、読み違いの形が見えなくなるので、この記事ではその言葉を使っていません。なお、学校でまだ習っていない単元での失点は、この3つに入れず、習ってから扱えば足ります。

解説を読んだあと、何も見ずにもう一度解く

解説を読んで「なるほど」と思えた段階では、まだ解き直しは終わっていません。解説を閉じて、白紙に何も見ずにもう一度解けたところで、1問の解き直しが終わります。解説を読んだ直後は、手順を覚えているだけで、自分で組み立てられるかどうかはわからないからです。

時間を置けるなら、翌日か数日後にもう一度解いてください。1回目の解き直しで解けても、数日後に解けなければ、その問題はまだ直っていません。何も見ずに解き直す作業は時間がかかるので、前の章で絞った1番目と2番目の区分の問題に限って行います。全部の問題でこれをやろうとすると、解き直しそのものが続かなくなります。

1回の解き直しにどれくらいの時間をかけるかは、受ける回数との兼ね合いで決まります。回数と解き直しの時間の関係は、中学生の模試を学年別に整理した記事で扱いました。

藤原 誠一

元教室長の視点

藤原 誠一|日本進学教育研究機構認定 高校受験指導アドバイザー

「解説を読んだのに、次の模試でまた同じ単元を落としました」と言う生徒に、白紙でもう一度解いてもらうと、たいてい途中で手が止まります。解説を読んだ時点で「わかった」と感じるのは自然なことで、それ自体は悪くありません。ただ、わかったことと解けることの間には距離があります。その距離を埋めるのが、何も見ずに解く1回です。私はこの1回を省かないことだけは、どの生徒にも同じように求めていました。


模試の復習ノートの作り方──コピーを貼る部分と、自分で書く部分

模試の復習ノートは、問題をコピーして貼り、自分で書くのは落とした理由と直し方の要点だけにします。問題文や図を手で書き写すと、1問に時間がかかりすぎて、ノートを作ること自体が目的になってしまいます。ノートの役目は、次の模試の前に見返して、同じ落とし方をしないことです。

問題はコピーして貼り、自分で書くのは落とした理由の1行

1問につき、ノートの見開きの左側に問題のコピーを貼り、右側に3つのことを書きます。

  • 落とした理由──知らなかった・時間が足りなかった・読み違えたのどれか。読み違えの場合は、どこを読み落としたかを1行で
  • 正しい解き方の要点──解説を丸写しせず、自分が次に同じ問題を見たときに思い出す手がかりだけを書く
  • 解き直した日付と結果──何も見ずに解けたかどうか。解けなかった場合は、もう一度解く日を書いておく

コピーを使うのは時間の節約のためで、書き写すことに意味がないということではありません。数学の図や英語の長文を書き写す時間があるなら、その時間でもう一度解いたほうが点に結びつきます。コピーが手元でできない場合は、問題番号とページだけを書き、問題冊子そのものを保管しておく形でもかまいません。

ノートは教科ごとに分けず、模試1回分を1冊の中にまとめても構いません。大事なのは、1回の模試で落とした問題が1か所にまとまっていることです。教科ごとに分けると、次の模試の前にすべての教科のノートを開くことになり、見返す時間が取れなくなります。

次の模試の前日に開くページを決めておく

復習ノートは、作ったあとに見返す場面を決めておかないと開かれなくなります。見返すのは次の模試の前日で、開くのは「読み違えた」に分類した問題のページだけと決めておくと、短い時間で終わります。読み違えは知識と違って前日に見直すだけで防げる失点で、前日にやる価値がいちばん高いからです。

「知らなかった」に分類した問題は、前日ではなく普段の学習の中で、単元の基本問題と一緒に何度か解き直してください。前日に知識の穴を埋めようとしても間に合いません。ノートの使い方を分類ごとに変えておくと、同じノートが普段の学習と前日の確認の両方で使えます。

復習ノートに書かないもの

解説の全文、問題文の書き写し、正解した問題。この3つを書き始めると、1回分のノートを作るだけで数日かかります。書くのは落とした理由と、次に思い出すための手がかりだけです。ノートが薄いほど、次の模試の前に最後まで見返せます。


模試で点が取れない原因は、定期テストとの3つの違いにある

定期テストでは点が取れるのに模試で点が取れない原因は、力が足りないことより、2つのテストの条件の違いにあることが多いものです。違いは、出題範囲の広さ、初めて見る問題の形、時間の配分の3つです。どの違いでつまずいているかがわかれば、対策もはっきりします。

範囲の広さ、初めて見る形、時間の配分

定期テストは、直前の数週間に習った範囲から出題されます。問題も、授業で扱った例題や学校のワークに近い形が多く、直前に覚え直せば点が取れる構造です。模試は、学習が終わっている範囲全体から出題されます。1年前に習った単元が、定期テストのときとは違う聞き方で出てきます。

定期テストと模試の条件の違い
条件定期テスト模試模試で点が取れないときの対策
出題範囲直前の数週間に習った範囲学習が終わっている範囲全体前の学年の単元を、学期ごとに基本問題で解き直す
問題の形授業の例題やワークに近い初めて見る聞き方が多い入試の過去問で、同じ単元の違う聞き方に触れる
時間の配分範囲が狭く、時間に余裕がある大問が多く、時間内に全部は解けない前提大問ごとの時間を決め、模試で試して調整する

範囲の広さで点が取れない場合は、前の学年の内容が抜けています。定期テストの勉強をするときに、同じ単元の前の学年の内容を1問だけ足して解くという形にすると、範囲全体を少しずつ保てます。初めて見る形で点が取れない場合は、同じ単元を違う聞き方で出す問題に触れる量が足りていません。これには入試の過去問が向いています。次の章で手に入れ方を書きます。

時間の配分で点が取れない場合は、前の章の「時間が足りなかった」に分類した問題が多くなっているはずです。解ける問題を最後まで解き切らずに次へ進む練習は、定期テストではできません。模試はその練習ができる数少ない場です。

点数を上げる順番は、取れるはずだった問題から

模試の点数を上げたいとき、最初に考えるのは難しい問題を解けるようにすることではありません。受験者の多くが正解している問題を、自分も落とさないようにすることが先です。1問ごとの配点が同じなら、正答率の高い問題を1問取り戻すことと、正答率の低い問題を1問解けるようにすることは、同じ点数です。かかる時間は前者のほうがずっと短くなります。

そのうえで、2番目の区分、つまり受験者の正答率が中くらいの問題に進みます。このあたりの問題が、志望校を目指す受験生どうしで差がつく部分です。模試の成績表の読み方については、判定の数字をどう受け止めるかも含めて模試の判定の見方を扱った記事で書きました。

中3の秋から冬にかけては、解き直しで残った弱点と、志望校を最終的に決める時期が重なります。解き直しで弱点がはっきりしている教科ほど、志望校を決める前に手を打てる時間が残っています。志望校をいつまでに決めるかについては、姉妹サイトの志望校を決める時期と期限を学年別に扱った記事が参考になります。講習を申し込む前に、解き直しで弱点の教科をはっきりさせておくと、どの講座を残すかも決めやすくなります。講習費をどの順番で減らすかは、講習費を減らす順番を扱った記事で整理されています。


模試の過去問はどこで手に入るか──中学生は県が公開する3年分から

中学生が高校受験の模試に向けて使える過去問は、模試そのものの過去問より、都道府県が公開している公立高校入試の学力検査問題が中心になります。神奈川県は、共通選抜の学力検査問題を3年分、県のホームページで公開しています。模試は公立入試の形式に合わせて作られていることが多いので、入試問題そのものがいちばん確かな練習材料になります。

神奈川県は学力検査の問題を3年分公開している

神奈川県のホームページの「共通選抜における学力検査問題」には、令和8年度・令和7年度・令和6年度の問題が掲載されています(2026年9月時点)。著作権の都合で一部が省略されていて、省略のないものは県政情報センターで閲覧でき、有料でコピーを取ることもできると案内されています。

県の過去問には、もうひとつ使い道があります。県は同じページの関連リンクから、学力検査の結果として設問ごとの正答率を公表しています。過去問を解いたあと、自分が落とした問題を県の正答率と並べれば、模試の成績表と同じ手順で解き直す順番を決められます。模試の返却を待たずに、この記事の最初の章の方法をそのまま試せるということです。

中2のうちに過去問を使う場合は、学習が終わっている単元の大問だけを解いてください。入試問題は中3までの全範囲から出るので、中2の段階では解けない大問があって当然です。無料で手に入る材料として、既習範囲の大問だけを抜き出して使うのが中2の使い方です。どの教科のどんな問題で受験者が点を落としているかは、科目別の模試対策を扱った記事で教科ごとに整理しました。市販の過去問集や問題集をどう選ぶかは、高校受験の問題集・参考書の選び方を扱った記事が詳しく扱っています。

高校生の模試には、過去の問題を収録した問題集がある

大学受験の模試では、事情が少し違います。河合出版の「共通テスト総合問題集」は、「黒本」の通称で知られ、河合塾の全統模試を収録した問題集と出版社が説明しています。「模試 過去問」で調べて出てくる情報の多くは、こうした大学受験向けのものです。

中学生の高校受験の模試で同じような問題集を探しても、見つからないことが多いはずです。中学生にとっての過去問は、まず県の公開問題だと考えてください。高校に上がってから受ける模試の種類や、中学の模試との違いは高校生の模試を扱った記事で整理しています。


解き直しの優先度を成績表に書いて返す──臨海セミナーの返却後の指導

解き直す問題を絞る作業は、ここまで書いてきたとおり受験生の側でもできます。一方で、その順番を成績表の側で示している模試もあります。神奈川発の大手である臨海セミナーの神奈川統一模試は、特色検査模試の個人成績表に、解き直しの優先度が高い順に分析とアドバイスを載せる設計を公式に案内しています。

書籍『受験・学校選び ── 元教室長が教える後悔しない塾の決め方』の表紙

著書のご案内

受験・学校選び ── 元教室長が教える後悔しない塾の決め方

藤原 誠一 著/日本進学教育研究機構

模試が返ってきたあと、解き直しを誰がどこまで見てくれるのかは、塾を選ぶときに聞いておきたい点です。書籍では、体験や説明会で確かめておきたい質問を章立てて扱いました。「解き直しは生徒に任せますか、それとも答案を見て課題を出しますか」と聞くと、その塾の返却後の設計がわかります。

特色検査模試の個人成績表は、解き直しの優先度が高い順に並ぶ

臨海セミナーの神奈川統一模試の案内によると、10月と11月の教室受験の受験者には、通常の個人成績表に加えて、特色検査に特化した個人成績表が渡されます。そこには、間違えた問題の分析や解き方のアドバイスが、解き直しの優先度が高い順に記載されると説明されています。

この記事の最初の章で、解き直す問題を受験者の正答率で並べ替える手順を書きました。臨海セミナーの特色検査模試の成績表は、その並べ替えを成績表の側で済ませた形だと言えます。特色検査は教科をまたいだ記述式の問題が多く、どこから直せばいいかを受験生が自分で決めにくい検査です。優先度が先に示されていれば、返却された週のうちに1問目に取りかかれます。

ただし、優先度つきの成績表が渡されるのは、特色検査模試を申し込んだ10月と11月の受験者に限られます。5教科の個人成績表に同じ形の記載があるとは、公式の案内には書かれていません。5教科については、この記事の手順で受験生が自分で並べ替えることになります。

塾生には解き直しの課題、塾外生には成績表返却時の1対1面談

返却後の扱いは、塾生と塾外生で分かれています。臨海セミナーの中学生向けの案内では、「模擬試験と、その解き直しを大切に」しているとしたうえで、塾生には模擬試験のあとに解き直しの課題を出し、次回に向けて実力の向上を図ると説明されています。

神奈川統一模試そのものは、「臨海セミナーにお通いでない方が対象の模試」と明記されています。その案内ページでも、模試は受けて終わりではなく、返却後に解けなかった問題をできるまで復習し、次回の模試に向けた目標を設定することが大切だとしたうえで、臨海では模試後の学習計画まで含めて生徒を指導していると説明しています。塾外生には、成績表の返却時に1対1の進路面談の機会が設けられています。自宅受験の場合は、10月から12月まで同じ問題が使われ、答案を返送してから約2週間で個人成績表が発行されると案内されています。

日程・対象学年・受験料・成績表の内容は年度によって変わります。受験を検討する際は、必ず最新の実施要項を公式サイトで確認してください。また、どの模試を使う場合でも、成績表は解き直しの出発点であり、1回の結果で志望校を決めるものではありません。

模試のあとに解説と添削を置く形──湘南ゼミナール・ステップ

答案を返したあとの直し方に仕組みを持つのは、臨海セミナーに限りません。湘南ゼミナールとステップの2社は、特色検査の模試や講座に解説と添削を組み合わせています。それぞれの公開情報で確かめられた内容です。

湘南ゼミナールは、中2・中3を対象にした特色検査対策模試について、公式の案内で特色検査に特化した模試と解説を実施すると説明しています。受験後には専任講師によるフィードバックが行われる形です。模試と解説をひとつながりで実施する設計で、解き直しの入口を模試の近くに置いている例です。

ステップは、特色検査対策として中2・中3の通常授業のほかにオプションの特色検査対策講座を開いており、公式の案内によると、部活や習い事で講座に出席できない生徒のために「添削講座」も用意しています。書いた答案を講師が直して返す形で、記述の解き直しを添削で支える設計です。

3社を並べると、成績表の側で優先度を示す形、模試と解説をつなげて実施する形、答案を添削で返す形と、解き直しをどこで支えるかが分かれています。どの形でも、最後に何も見ずに解き直すのは受験生本人です。各社の扱いは年度によって変わることがあるため、申し込みの前に直接ご確認ください。


よくある質問(FAQ)

Q模試の解き直しはどうやればよいですか?

模試の解き直しは、成績表の受験者の正答率を見て、多くの人が正解しているのに自分が落とした問題から始めます。落とした理由を知らなかった・時間が足りなかった・読み違えたの3つに分け、知識の不足なら教科書に戻り、時間なら計って解き直し、読み違いなら読み落とした箇所を書き出します。最後は解説を閉じて、何も見ずにもう一度解きます。

Q模試の復習ノートはどう作ればよいですか?

模試の復習ノートは、見開きの左に問題のコピーを貼り、右に落とした理由、次に思い出すための解き方の要点、解き直した日付と結果の3つを書く形が続けやすい作り方です。解説の全文や正解した問題は書きません。1回の模試で落とした問題を1冊にまとめておくと、次の模試の前日に読み違えの問題だけを見返せます。

Q問題を書き写す時間がないときは、コピーを貼ってもよいですか?

コピーを貼ってかまいません。問題文や図を書き写すと1問に時間がかかり、ノート作りが目的になってしまいます。書き写す時間があるなら、その時間で何も見ずにもう一度解いたほうが点に結びつきます。コピーができない場合は、問題番号とページを書き、問題冊子そのものを保管しておく形でも十分です。

Q模試の過去問は、中学生と高校生でどこに違いがありますか?

中学生の高校受験では、模試そのものの過去問より、都道府県が公開している公立入試の問題が中心になります。神奈川県は学力検査問題を3年分公開しています。大学受験の模試では、河合塾の全統模試を収録した河合出版の「共通テスト総合問題集」(通称「黒本」)のように、模試の問題を集めた問題集が市販されています。

Q定期テストはできるのに模試になるとできないのはなぜですか?

定期テストと模試では、出題範囲の広さ、問題の形、時間の配分の3つの条件が違うためです。定期テストは直前に習った範囲から授業に近い形で出ますが、模試は学習が終わった範囲全体から初めて見る聞き方で出され、時間内に全部は解けない前提で作られています。どの条件でつまずいたかを分けると、対策がはっきりします。

Q解き直しが終わったら、次の模試までに何をすればよいですか?

解き直しで「知らなかった」に分類した単元を、普段の学習の中で基本問題と一緒に何度か解き直します。前の学年の単元が抜けていた場合は、定期テストの勉強に同じ単元の前の学年の問題を1問足す形で保ちます。次の模試の前日には、復習ノートの「読み違えた」のページだけを見返してから受けてください。


まとめ

模試の復習は、解き直す問題を減らすところから始まります。成績表の受験者の正答率と自分の正誤を並べ、受験者の多くが正解しているのに自分が落とした問題を最優先にし、正答率が低く自分も落とした問題は最後に回します。受けた日のうちにやるのは自己採点と迷った問題への印づけまでで、本格的な解き直しは成績表が返ってからです。

解き直すときは、落とした理由を「知らなかった」「時間が足りなかった」「読み違えた」の3つに分けます。知識の不足は教科書と基本問題に戻り、時間の不足は計って解き直し、読み違いは読み落とした箇所を書き出します。どの理由でも、最後は解説を閉じて何も見ずにもう一度解けたところで1問が終わります。

復習ノートは、問題のコピーを貼り、自分で書くのは落とした理由と解き方の要点、解き直した結果だけにします。次の模試の前日に開くのは、読み違えたページだけと決めておくと、ノートが実際に使われます。

定期テストでは取れるのに模試で点が取れないのは、範囲の広さ、初めて見る形、時間の配分の3つが違うためです。初めて見る形に慣れる材料として、中学生はまず神奈川県が公開している学力検査問題3年分を使い、県が公表している設問別の正答率と並べて解き直す順番を決めてください。

解き直しの順番を成績表の側で示している模試もあります。臨海セミナーの神奈川統一模試は、10月と11月の特色検査模試の受験者に、間違えた問題の分析と解き方のアドバイスを解き直しの優先度が高い順に載せた個人成績表を渡すと案内しています。どの模試を使う場合でも、成績表は解き直しの出発点です。

この記事を書いた人

藤原 誠一

藤原 誠一

日本進学教育研究機構認定 高校受験指導アドバイザー/元塾教室長

神奈川県の大手学習塾で18年、教室長として進路指導を統括。模試の結果を「現在地」として読み、次の一手に変えるための考え方を発信しています。

書籍『受験・学校選び ── 元教室長が教える後悔しない塾の決め方』の表紙

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執筆者プロフィール|note(藤原 誠一)