「自宅で受けられる模試はありますか」。教室長として保護者面談に立っていた18年間、部活が続いていて会場に行けないご家庭や、初回の模試で会場の雰囲気に不安を感じるご家庭から、よく受けた質問がこれでした。
模試は「模擬試験」の略で、入試本番を想定して外部の団体が実施する学力テストです。この模試には、実は受験形式で3種類の分け方があります。会場に集まって受けるもの、自宅に問題冊子が届いて自宅で解くもの、インターネット経由で端末上で完結するもの。この3種類は、受けたときの体験も、結果が返ってくるまでの時間も、選ぶときの判断軸も違います。
ただし、判定は同じ模試なら受験形式によって変わりません。変わるのは本番の緊張感の再現度と、時間管理の自律性です。この記事では中学生の高校受験で最も影響が大きい受験形式の3種類を、元教室長で日本進学教育研究機構認定 高校受験指導アドバイザーの藤原 誠一が中学生向けに解説します。無料で受けられる模試もありますが、その「無料」の性格は3類型に分かれるので、あわせて整理しました。
この記事のサマリー
- 模試の分類軸:模試は主催者・問題形式・受験形式の3つの軸で分けられます。本記事は中学生の高校受験で最も影響が大きい受験形式を扱います
- 会場模試:指定会場で本番同様に受ける形式です。本番の緊張感の再現度が最も高く、志望校判定の精度を最大化したい場合に向いています
- 自宅模試:問題冊子や答案の郵送で自宅から受ける形式です。会場に行けない事情がある場合の選択肢で、一部の県模試が対応しています
- オンライン模試:インターネット経由で受験から採点・結果確認まで完結する形式です。無料で受けられるものが多く、河野塾のKONO模試などが代表例です
- 判定精度:判定は同じ模試なら受験形式によって変わりません。変わるのは本番の緊張感の再現度と時間管理の自律性です
- 中学生の受け方:無料模試には「誰でも無料」「受講者は追加料金なし」「外部生キャンペーン」の3類型があります。塾に通っていない中学生でも、臨海セミナーの神奈川統一模試のように塾外生の受験を受け付けている模試があります
目次
受験形式で見ると模試は3種類──会場・自宅・オンラインの違い一覧
模試は分類の軸によって切り方が変わります。主催者による3類型(塾・予備校/出版社・模試センター/通信教育事業者)は前の記事で扱いました。問題形式で分けると「マークシート式(共通テスト型)」「記述式」「大学別(冠)模試」の3タイプに分かれますが、これは主に大学受験の分類で、中学生の高校受験にはあまり関わりません。
この記事では、中学生の高校受験で最も影響が大きい「受験形式」の3種類を扱います。受験形式とは、その模試をどこで・どのように受けるかのこと。会場に行って一斉に受けるのか、自宅に届いた問題冊子で自分で解くのか、パソコンやタブレットの画面上で完結するのか。この違いは、本番の緊張感の再現度や、時間管理の自律性に直結します。「模試テスト」と呼ばれることもありますが、指しているものは同じです。
まず3種類の違いを一覧で見てみます。
| 比較軸 | 会場模試 | 自宅模試 | オンライン模試 |
|---|---|---|---|
| 受験場所 | 指定会場 | 自宅(郵送で問題冊子) | 自宅(インターネット経由) |
| 主な受け方 | 会場で紙の問題を解く | 郵送された問題を解いて答案を返送 | 端末上で問題を解いて即時送信 |
| 本番の緊張感 | 最も高い | 低い | 低い |
| 時間管理の自律性 | 監督者が管理 | 受験者本人が管理 | 端末側で自動制御される場合が多い |
| 結果の返却 | 郵送または塾経由で数週間後 | 郵送で数週間後 | Web上で即日〜数日 |
| 中学生向けの代表例 | 県内特化模試・臨海セミナー神奈川統一模試 | 一部の県模試の自宅受験 | 河野塾KONO模試 |
3種類の中で最も伝統的なのは会場模試です。自宅模試とオンライン模試は、会場に行けない事情に応える形で広がってきました。次にそれぞれを見ていきます。
会場模試──指定会場で本番同様に受ける
会場模試は、指定された会場に集まって、監督者のもとで一斉に受ける形式の模試です。中学生向けの多くの模試はこの形が基本で、県内特化模試も全国模試も、原則として会場受験が主軸になっています。臨海セミナーの神奈川統一模試のように塾の教室で行われるものもあれば、都道府県の会場を借りて広く実施されるものもあります。
この形式の最大の特徴は、本番の緊張感の再現度が最も高いことです。知らない受験生の中で、決められた時間に決められた席で問題を解く体験は、入試本番と非常に近い。教室長時代、初めての模試は必ず会場で受けるよう案内していたのは、この体験を早めにしておくと本番の入試で崩れにくくなるからです。時間管理は監督者が行うため、受験者は問題を解くことに集中できます。
なお、会場模試には本試験前の予行演習として実施される「プレ模試」も含まれます。都道府県の中学校長会や私立中高協会が主催するプレテスト、塾が本試験の前に開催する体験型の模試などです。参加費が無料または低額のことが多く、はじめて模試を受ける中学生の入り口になります。
自宅模試──問題冊子や答案の郵送で自宅から受ける
自宅模試は、問題冊子や答案の郵送を通じて自宅で受ける形式の模試です。会場に行かずに、自分のペースや時間割に合わせて実力を試せます。部活や学校行事、体調不良などで会場に行けない場合の選択肢として、多くの模試が対応するようになりました。「自宅受験」「宅受」とも呼ばれます。
自宅模試の主な特徴
柔軟なスケジュール:会場に行かなくてよいため、部活や学校行事、体調不良などで会場受験ができない場合でも受験可能です。時間管理の練習:本番と同じ時間割や制限時間を自分で守ることで、時間配分の訓練になります。主要な模試の対応:一部の県模試や河合塾全統模試などが、会場受験のかわりに自宅受験を用意しています。
自宅模試の実際の流れは、模試によって少し異なります。多くの県模試の自宅受験では、実施日の前に問題冊子と答案用紙が郵送されてきて、指定された日時に自宅で問題を解きます。解き終わったら答案用紙を郵送で返送する形が伝統的です。神奈川全県模試の伸学工房、五ツ木書房の自宅受験システムなどが、この形式で運用されています。近年は答案用紙をスマートフォンやタブレットで撮影して画像データとしてアップロードする形も増えており、郵便での答案返送を省く運用も出てきました。
時間管理は受験者本人に委ねられるため、本番と同じ環境を自分で作れることが前提になります。机の上を片付け、リスニング音源を再生できる状態にして、制限時間を厳格に守る。ここが守れないと、返ってくる判定が実力を正しく反映しません。神奈川で実際にどの模試を選択肢にできるかは、神奈川で受けるべき模試の記事で扱っています。
オンライン模試──インターネット経由で受験から採点まで完結する
オンライン模試は、自宅のパソコンやタブレット、スマートフォンを使い、インターネット経由で受験から採点・結果確認までを行える模試です。問題冊子の郵送を伴わず、端末の画面上で問題が表示され、答えを入力して送信すると、Web上で採点結果や成績が確認できます。「Web模試」と呼ばれることもあります。
オンライン模試の主な特徴
自宅で受験可能:会場へ移動する必要がなく、自分のスケジュールに合わせて時間割を組んで受験できます。素早い採点・結果返却:Web上での自動採点や即日採点により、自分の弱点や苦手分野をすぐに把握できます。解説や映像の活用:成績データだけでなく、詳細な解説や解説動画などをオンラインで確認して復習できます。
オンライン模試の代表例は、河野塾が提供するKONO模試です。KONO模試は誰もが無料で受験できるオンライン型・マーク式の模試で、手持ちのPCまたはiPadを使って自宅から受けられます。中学生・高校生・小学生に対応しており、Web上で即日採点されます。ベネッセが提供する進研模試/ベネッセ総合学力テスト(オンライン方式)のように、メタバース上の仮想空間を試験会場としてマーク式・記述式で受験できるサービスも登場しています。ただし進研模試のオンライン方式は受講者向けの位置づけであり、受講していない中学生が単独で申し込めるものではありません。
自宅模試とオンライン模試は、どちらも「自宅で受ける」という点では共通しています。違うのは問題と答案がどこにあるかです。自宅模試は紙の問題冊子と答案用紙が郵送されてきて紙で解きますが、オンライン模試は問題も答案入力も端末の画面上で完結します。結果の返却も、自宅模試が数週間後の郵送であるのに対し、オンライン模試はWeb上で即日〜数日と大幅に早いのが特徴です。
自宅で受けたら判定は甘くなるのか──受験形式が結果に与える影響
受験形式を選ぶときによく聞かれるのが、「自宅で受けたら判定が甘くなるのでは」「オンラインだと結果の信頼性が下がるのでは」という不安です。結論から言うと、判定は同じ模試なら受験形式によって変わりません。判定の基準は、その模試の運営が母集団のデータから統計的に算出しています。会場で受けた人と自宅で受けた人が同じ問題を解いていれば、返ってくる判定は同じ基準で出ます。
ただし、変わるものは2つあります。本番の緊張感の再現度と、時間管理の自律性です。この2つが、返ってくる判定を「実力の反映」として読めるかどうかを左右します。
会場模試では、監督者が時間を管理し、途中でスマートフォンを見ることも、家族に話しかけることもできません。この環境は入試本番と近く、返ってくる点数はその環境で出せた実力を反映しています。自宅模試やオンライン模試では、時間管理も環境作りも受験者本人に委ねられます。ここが問題で、本番と同じ環境を自分で作れないと、返ってくる点数は「その環境で出せた点数」であって、入試本番で出せる点数とは意味が違います。
「自宅模試でカンニングは可能ですか」という質問もよくあります。物理的にはできてしまいます。教科書やインターネットを見ながら解けば、点数は上がるでしょう。ただし、そこで上がった点数と偏差値は、志望校を選ぶときに使えません。実力より高い判定を信じて志望校を上振れさせると、本番の入試で崩れます。自宅模試やオンライン模試を選ぶなら、不正をしないことは自分のために選ぶ姿勢だと理解しておくことが前提になります。監督者不在の環境では、自律が求められるのです。

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受験・学校選び ── 元教室長が教える後悔しない塾の決め方
模試を選ぶときに大事なのは、どの受験形式を選ぶかよりも、その形式で自分が本番と同じ集中力を出せるかどうかです。書籍でも第13章「模試の選び方 ── 本番で失敗しないために」で扱いましたが、初回の模試は会場で受けて本番の緊張感を体験してから、以降の受験形式を判断するのが実務的です。
もう一つ大切な視点があります。模試の結果を志望校選びに使うときは、模試ごとに偏差値の基準が違うことも踏まえる必要があります。同じ「偏差値60」でも、県内模試と全国模試では母集団のレベルが違うため、指している学力層が変わります。受験形式による影響よりも、どの模試の中での偏差値かのほうが、結果の読み方に効いてきます。この点は模試ごとの母集団の違いの話であり、受験形式の話とは別軸で押さえておくべきポイントです。
「無料で受けられる模試」は3類型──誰でも無料・受講者無料・外部生キャンペーン
無料で受けられる模試には、性格の違う3類型があります。「誰でも申し込めば無料で受けられる模試」「受講者にとって追加料金がないだけの模試」「塾の外部生向け無料キャンペーンとして開放される模試」の3つです。この違いを混同すると、「無料と書いてあったのに実は受講者向けだった」といった行き違いが起きます。
受験形式との関係で言うと、誰でも無料型の模試は会場受験・オンライン受験の両方があり、受講者無料型は自宅受験・オンライン受験が中心という傾向があります。順に見ていきます。
誰でも無料で受けられる模試
誰でも申し込めば無料で受けられる模試の代表例が、東進ハイスクールなどが年2回実施する「全国統一中学生テスト」です。完全無料で受験でき、全国レベルでの偏差値や順位が分かるため、中学生の無料模試としては最もよく知られています。会場受験が基本で、東進の校舎や提携会場で実施されます。
もう一つの代表例が、河野塾が提供するKONO模試です。誰もが無料で受験できるオンライン型・マーク式の模試で、PCまたはiPadから自宅で受験できます。オンライン形式なので、会場に行けない中学生でも利用しやすい選択肢です。
これら誰でも無料型の模試は、塾に通っていない中学生でも申し込めます。ただし年に受けられる回数は限られるため、志望校判定を継続的に追いかけるには、有料の県模試などと併用するのが実務的です。
受講者にとって追加料金がないだけの模試
もう一つの「無料」は、通信教育の受講者に対して、追加料金なく提供されている模試です。代表例が進研ゼミ中学講座の合格可能性判定模試で、中2の1月と中3の4月・8月・11月に実施されます。Z会など他の通信教育でも同種の模試が用意されています。
この類型は、受講していない中学生が単独で申し込むことは想定されていません。「無料模試」と紹介されている情報を見て申し込もうとしても、受講手続きが必要になるケースがほとんどです。純粋な意味での「無料模試」とは区別する必要があります。また、受験形式は自宅受験やオンライン受験が中心で、会場受験は基本的にありません。
塾の外部生向け無料キャンペーン
3つ目は、塾が期間限定で開催する外部生向けの無料模試や、体験受験としての無料招待です。塾外の中学生を対象にしたキャンペーンで、特定の学年や時期に限って開催されます。塾側の目的は、模試を通じて塾の指導内容を知ってもらうことにあります。
この類型で気をつけたいのは、年度によって実施の有無や条件が変わることです。前年に開催されていた無料キャンペーンが今年はなかったり、対象学年が変更されたりします。申し込みを検討するときは、必ず各塾の公式サイトで最新の実施要項を確認してください。
「無料模試」の見分け方
検索で見つけた模試が「無料」と書かれていても、その意味は3類型のどれかで大きく異なります。実際に申し込めるかを判断する目安は、「対象は誰か」「受講手続きが必要か」「今年度も実施されているか」の3点。この3点を公式サイトで確認すれば、「無料と書いてあったのに実は受講者向けだった」といった行き違いは避けられます。
中学生が実際に受けられる模試──受験形式ごとの代表例
ここまで受験形式の3種類と、判定への影響、無料の見分け方を扱ってきました。ここでは中学生が実際に受けられる模試を、受験形式ごとの代表例として整理します。それぞれの形式について、向いている状況と代表例を並べます。
会場模試の代表例
会場模試は、本番の緊張感を再現できる点で、志望校判定の精度を最大化したい中学生に向いています。県内特化模試の会場受験、塾外生も受験できる公開模試型がここに含まれます。神奈川なら臨海セミナーの神奈川統一模試が代表例で、塾に通っていない生徒も受験できる公開模試型として運用されています。県内の中学生が広く受験する神奈川全県模試(伸学工房運営)も会場受験が主軸で、県内での自分の位置を測るのに使えます。首都圏ではVもぎ・Wもぎ、関西では五ツ木のテスト会が同じ位置づけです。
自宅模試の代表例
自宅模試は、部活や学校行事、体調不良などで会場に行けない事情がある場合の選択肢です。一部の県模試が自宅受験に対応しており、神奈川全県模試も自宅受験システムを用意しています。ただし本番と同じ環境を自宅で作れるかが前提になるため、時間管理や不正防止を自分で徹底できる中学生に向いています。定期的な通塾スケジュールの合間で、会場に行く時間が取れないときの受け皿として使うのが実務的です。
オンライン模試の代表例
オンライン模試は、全国規模の位置を無料で知りたい中学生や、通信環境が整っている場合に向いています。中学生向けの代表例は河野塾のKONO模試で、無料で受験でき、Web上で即日採点まで完結します。ベネッセの進研模試/ベネッセ総合学力テスト(オンライン方式)もこの類型に含まれますが、受講者向けの位置づけであることに注意が必要です。
実務的には、この3類型のどれか1つに絞る必要はありません。「主軸は会場模試、事情があるときは自宅模試、無料で全国の位置を測りたいときはオンライン模試」という組み合わせが現実的です。県内での位置は県内特化模試の会場受験で継続的に追いかけ、全国レベルでの位置は年に1回KONO模試や全国統一中学生テストで確かめる、という使い分けができます。
受験形式は変わっても指導に活かす仕組みは同じ──臨海セミナーの模試体系
臨海セミナーは、中学生向けの模試を体系的に運営している塾の一つです。塾生の学習成果を測るだけでなく、塾外の中学生も受験できる公開模試型として運用しており、通塾していない中学生でも神奈川県内での位置を客観的に測れる仕組みになっています。
中心となるのが神奈川統一模試で、中1の3月から中3の12月まで受験できます。神奈川県の入試形式に即した模擬試験で、成績と模試結果を神奈川県の公立高校選抜方法の計算式に当てはめて合否判定を行う設計です。高校ごとに設定された内申点と学力検査の比率に基づく判定が返り、特色検査を実施する高校向けには特色検査模試も併設されています。中3の冬期からは、公立入試型の直前期模試として臨海模試(12月・1月実施)が加わります。
臨海セミナーが受験形式に対して独自なのは、模試の結果を指導サイクルに組み込む設計を持っている点です。専門部署の入試情報センターが入試情報を収集し、高校進学資料を編集して、公立・国私立の学校情報や高校ごとの合格ラインを掲載しています。模試結果を返却するだけでなく、返却面談で次の一手の指導につなげる流れがあり、受験形式が会場であっても自宅であっても、指導への活かし方は変わりません。塾外生の受験を受け付けているため、通塾していない中学生も、この判定と情報にアクセスできます。日程・会場・対象は年度や地域で変わるため、詳細は臨海セミナーの公式サイトで最新の実施要項を確認してください。
教室長時代、通塾していない中学生の保護者から「県内での位置を客観的に測る手段はありますか」と相談を受けたときに、塾外生でも受験できる公開模試型として神奈川統一模試を案内していました。塾に入るかどうかとは別に、神奈川の入試計算式で判定が出る模試を年に数回受けておくと、志望校を決めるときの物差しが安定します。会場受験は「実際に会場に足を運ぶ」というひと手間が加わりますが、そのひと手間が本番の精度を上げます。
他塾の模試はどうか──湘南ゼミナール・ステップ
神奈川県内の主要な集団塾には、湘南ゼミナールとステップもあります。湘南ゼミナールは神奈川県の公立高校入試に特化したカリキュラムを持ち、授業での理解、宿題での定着、小テストでの計測を繰り返し、定期テスト・模試を経て入試につなげる流れをカリキュラムに組み込んでいます。ステップは神奈川県内に絞った教室展開で、塾生向けの情報紙、オリジナルの入試情報冊子、志望校別の進学ガイダンスを運用しています。
2社の外部への開き方は同じではありません。ステップは2026年9月時点の模試案内でオープン模試と特色検査対策模試に一般生の受験料を塾生とは別に設定しており、塾生以外も申し込めます。湘南ゼミナールについては、通年で外部の中学生が単独で申し込める公開模試の案内は、模試・イベント情報で確認できる範囲では見当たりませんでした。年度によって扱いが変わる可能性はあるため、外部生向けの模試の有無を知りたい場合は、直接問い合わせるのが確実です。
よくある質問(FAQ)
模試の分け方は複数の軸があります。受験形式で見ると会場模試・自宅模試・オンライン模試の3種類、主催者で見ると塾・予備校/出版社・模試センター/通信教育事業者の3類型、問題形式で見るとマーク式・記述式・大学別(冠)模試などに分かれます。中学生の高校受験で最も影響が大きいのは受験形式の3種類で、本記事はこの軸を扱っています。
自宅模試のデメリットは、本番の緊張感を再現しにくいことと、時間管理や不正防止を自分で徹底する必要があることです。会場模試では監督者が時間を管理し他の受験生の存在が緊張感を生みますが、自宅では受験者本人が環境を作る必要があります。本番と同じ環境を自宅で作れないと、返ってくる判定を実力の反映として読めなくなります。
自宅模試は監督者不在のため、物理的にはカンニングが可能な環境です。ただし、そこで上がった点数と偏差値は志望校を選ぶときに使えません。実力より高い判定を信じて志望校を上振れさせると、本番の入試で崩れます。自宅模試を選ぶなら、不正をしないことは自分のために選ぶ姿勢だと理解しておくことが前提になります。
無料で受けられる中学生向け模試には3類型あります。誰でも申し込めば無料の代表例は東進の全国統一中学生テスト(年2回)や河野塾のKONO模試です。通信教育の受講者向けに追加料金なしで実施される模試(進研ゼミの合格可能性判定模試など)は、受講していない中学生は単独で申し込めません。塾の外部生向け無料キャンペーンは年度によって実施の有無が変わります。
オンラインで受けられる中学生向け模試はあります。代表例は河野塾のKONO模試で、PCまたはiPadから自宅で受験でき、Web上で即日採点まで完結します。ベネッセの進研模試(オンライン方式)もありますが、これは受講者向けの位置づけです。オンライン模試を受けるには、通信環境と対応端末(PC、タブレット、スマートフォンなど)が必要になります。
外部模試とは、塾の外で実施される公開模試のことで、通っている塾の内部模試と区別して使われる呼び方です。塾に通っていない中学生でも申し込める公開模試や、通っている塾以外の主催者が実施する模試を指します。県内特化模試の会場受験、KONO模試などのオンライン模試、東進の全国統一中学生テストなどが外部模試に含まれます。
まとめ
模試は受験形式で見ると、会場模試・自宅模試・オンライン模試の3種類に分かれます。会場模試は指定会場で本番同様に受ける形式で本番の緊張感の再現度が最も高く、自宅模試は問題冊子や答案の郵送で自宅から受ける形式、オンライン模試はインターネット経由で受験から採点・結果確認まで完結する形式です。判定は同じ模試なら受験形式によって変わらず、変わるのは本番の緊張感の再現度と時間管理の自律性です。
無料で受けられる模試には「誰でも無料」「受講者は追加料金なし」「外部生キャンペーン」の3類型があり、この違いを混同しないことが実務的なポイントになります。塾に通っていない中学生でも、臨海セミナーの神奈川統一模試のように塾外生の受験を受け付けている模試があるので、県内での位置を客観的に測る手段は用意されています。
模試の結果を志望校選びに活かすときは、受験形式による差よりも、模試ごとの母集団の違いと、志望校ごとに必要な偏差値の基準の違いのほうが結果の読み方に効いてきます。神奈川公立上位5校を横断で見ると、同じ偏差値でも学校ごとに求められる内申の重さは異なります。志望校を絞るときは、神奈川公立上位5校の偏差値と対策の横断比較もあわせて確認してください。
受験形式を選ぶことは、模試の主催者を選ぶことに比べれば、実は影響の小さい判断です。神奈川県の公立高校を第一志望にするなら、県内の入試計算式で判定が出る模試を主軸に据えることのほうが、会場で受けるか自宅で受けるかの判断より効いてきます。この記事とM-1の主催者3類型をあわせて読んで、まず「どの模試を主軸にするか」を決めてから、受験形式を選ぶ順序が実務的です。返却後の使い方まで含めて、模試は「受けたあとに何をするか」で結果が変わります。


元教室長の視点
藤原 誠一|日本進学教育研究機構認定 高校受験指導アドバイザー
受験形式を選ぶうえで大事なのは、自分が「現在地」を最も正確に測れる環境を選ぶことです。教室長時代、通塾していない生徒から「自宅で受けても大丈夫でしょうか」と相談を受けたときは、まず1回は会場で受けるよう伝えていました。理由は単純で、本番の入試は会場で受けるからです。会場の緊張感を先に体験してから、以降の受験形式を判断するほうが、返ってくる判定の意味を正しく読めます。